京畿道南部地方警察庁の国際犯罪捜査課は、富裕層をゴルフ旅行に誘い約8億5千万円を騙し取った犯罪組織のメンバー12人を逮捕したと発表した。
60代の首謀者「A氏」を含む6人が拘束された。タイでの作戦を担当していた韓国人の共犯者1人は逃亡中で、パスポートが無効化されている。国際刑事警察機構(ICPO)の国際手配書も発行された。

2022年から続いた巧妙な犯行
犯行は2022年11月に開始された。首謀者のA氏はゴルフの集まりで富裕な実業家と接触した。被害者の車両にGPS追跡装置を設置していた。
A氏は「ホールインワンのお祝い」として、タイへの無料ゴルフ旅行を提案した。現地でゴルフをしながら被害者に性的サービスを強要した。その後、相手が未成年だったと主張し、2億4千万ウォン(約1億7200万円)を要求した。
カンボジアでの新たな手口
2023年中頃から2024年中頃まで、グループは別の手法を実行した。ゴルフ練習場で5人の富裕層に近づいた。カンボジアへのゴルフ旅行を持ちかけた。
現地では操作されたカジノで被害者を騙した。グループはカジノ職員と共謀していた。偽の誘拐事件を演出し、6億8千万ウォン(約4億9千万円)を一度に詐取した事例もある。
総被害額は11億9千万ウォン(約8億5千万円)となった。
当局が警告する「セットアップ犯罪」
京畿道南部地方警察庁はこの犯罪を「セットアップ犯罪」と分類した。無実の人物を犯罪者に仕立て上げて金銭を脅し取る手法である。
警察関係者は次のように述べた。
「セットアップは被害者が気づかないうちに罠にはめる手法です。被害者は共犯者とみなされることを恐れて通報をためらいます。刑事告発の脅しでお金を要求することは犯罪です。被害者は直ちに警察に通報してください」
違法賭博への取り締まり強化
この摘発は韓国政府による違法賭博撲滅の取り組みの一環である。数週間前には6つの決済代行業者への捜査が終了した。これらの業者は違法賭博取引を支援した疑いがある。
首謀者は位置情報保護法違反の容疑でも起訴されている。GPS追跡装置の不法使用が理由である。