大分地裁は1日、詐欺罪や賭博罪に問われた大分県警大分東署生活安全課の元巡査安達明音被告(27)に対し、懲役2年執行猶予3年、罰金10万円の有罪判決を言い渡した。被告はオンラインカジノでの損失を取り戻す目的で不正に銀行口座を開設していた。

「強い非難に値する」と裁判官

北島聖也裁判官は判決理由で厳しく指摘した。

「警察官として法令を順守すべき立場にもかかわらず犯行に及んだ意思決定は強い非難に値する」

判決によると、安達被告は昨年12月、他人に譲り渡す目的であることを隠して自分で利用するかのように装い、銀行口座を不正開設した。今年1月には多数回にわたってオンラインカジノで賭博行為を繰り返していた。

ギャンブル依存症の治療意欲示す

一方で北島裁判官は執行猶予を認めた理由について述べた。

「ギャンブル依存に対する治療意欲を述べ、懲戒免職処分を受けて社会的制裁を受けている」

検察側は懲役2年、罰金10万円を求刑していた。

被告の弁護士によると、控訴しない方針を明らかにしている。安達被告は大分東警察署で生活安全課に所属していたが、事件発覚後に懲戒免職処分を受けた。

警察官による賭博事件相次ぐ

近年、現職警察官や元警察官による賭博関連事件が全国で相次いでいる。法執行機関で働く立場でありながら違法行為に手を染めるケースが問題となっており、各都道府県警は職員の指導強化を図っている。

大分地裁での判決について、大分県警本部にコメントを求めたが、回答は得られなかった。

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