カンボジアのフン・マネット首相は6月17日、プノンペンで開催されたカンボジア・スカウト臨時総会の閉会式で演説し、同国のオンラインギャンブル問題を批判する諸外国に対して強く反発した。首相は批判国が自国の違法賭博問題を隠蔽していると主張。「カンボジアだけを責めて、自分たちの問題を隠そうとしている」と述べた。

カンボジア首相「批判国も違法賭博を隠蔽」―二重基準を糾弾

批判国の「偽善」を指摘

フン・マネット首相はクメール・タイムズの報道によると、カンボジアを批判する国々が自国内の違法ギャンブル施設の存在を認めたがらないと指摘した。首相は「あなたの国を見てください。きれいではありません」と発言。「正直になりましょう。人々は実際に何が起こっているかを知っています」と続けた。

隣国タイはカンボジアの違法賭博地域への電力供給を遮断する措置を取った。さらにタイ人労働者のポイペト市への越境を禁止している。ポイペトはカジノや娯楽施設で知られるカンボジアの都市だ。

2019年の禁止令後も問題継続

カンボジア政府は2019年にオンラインギャンブルを禁止した。しかし地下組織による違法運営への懸念は続いている。国連薬物犯罪事務所(UNODC)は最近、カンボジアの人気海岸都市シアヌークビルを同国最大の詐欺拠点の一つとして特定した。

UNODCの報告書はカンボジアが違法オンラインギャンブルと詐欺活動の主要拠点であるとの非難を裏付けている。フン・マネット首相の親族も詐欺活動に関与したとされる。タイのサイバー警察はギャンブル活動とコールセンター詐欺ネットワークの関連性を懸念している。これらは中国系のホワイン・グループとの結びつきが疑われている。

首相「沈黙は無力さではない」

フン・マネット首相は批判に対するカンボジア人の沈黙を無力や非専門性と誤解すべきではないと強調した。地域全体での責任共有の必要性を訴えている。「カンボジア人は批判に対してほぼ沈黙を保ち、寛容でいる」と述べた。しかし「沈黙を無策や非専門性と間違えてはならない」と付け加えた。

2019年の禁止令は犯罪活動の削減と公共秩序の保護を目的としていた。外国人や国際犯罪組織が関与する地下ネットワークの運営疑惑は現在も続いている。首相は相互説明責任の重要性を強調し、各国が責任転嫁ではなく自国の問題に正面から取り組むよう求めた。

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