吉本興業は22日、所属タレント6人がオンラインカジノ利用により賭博罪で東京区検に略式起訴されたことを受け、公式サイトで謝罪声明を発表した。同社は問題発覚後に実施した社内調査の結果を公表し、オンラインカジノを利用していた全タレントに厳重注意処分と誓約書提出を義務付けたことを明らかにした。自粛中だったタレントの芸能活動も順次再開すると発表した。

6芸人が略式起訴、吉本が正式謝罪

吉本興業は公式サイトで「オンラインカジノ問題に関するご報告」と題した文書を掲載。「所属タレント6名が本日、賭博罪で略式起訴されましたことを報告いたしますとともに、このような事態になりましたことにつきまして、改めて関係者及びファンの皆様にお詫び申し上げます」と謝罪した。

社内調査で判明、全利用者に厳重注意処分

同社は問題発覚後の対応について詳細を公表した。「弊社では、本問題が発覚して以降、当局による捜査に全面的に協力しながら、外部の弁護士を交えてオンラインカジノの利用等に関する社内調査を実施してまいりました」と説明。

調査の結果、オンラインカジノを利用していたタレントには一律の処分を下した。「その結果、オンラインカジノの利用が判明したタレントについては、利用期間の長短や金額等にかかわらず厳重注意処分とし、今後二度とオンラインカジノを含む違法行為に及ばない旨の誓約書の提出を受けました」としている。

悪質ケースにはカウンセリング義務化

特に問題視されたのは、会社からの注意喚起を無視して利用を続けていたタレントの存在だ。吉本興業は「研修及び契約更新の際にオンラインカジノの違法性を明示して周知したにもかかわらず、その後もオンラインカジノを利用していたタレントについては、カウンセリングの受講及び一定期間の報告を義務付けました」と厳しい追加措置を明らかにした。

自粛タレントの段階的復帰を決定

処分内容の決定を受け、同社は活動方針も発表した。「芸能活動を自粛しておりましたタレントにつきましては、順次、芸能活動を再開させていただくことにいたしました」として、所属タレントの段階的な復帰を表明した。

コンプライアンス研修を全タレントが受講

吉本興業はこれまでの対策についても言及した。警察庁の担当官や有識者を招いたコンプライアンス研修を実施し、「改めてオンラインカジノを巡る問題について注意喚起をいたしました。この研修は、アーカイブ映像も含め全タレントが受講しており、以後、違法賭博を行った事実が判明した場合は厳正に処分する方針です」と強調した。

再発防止と社会啓発活動を推進

今後の取り組みについて同社は包括的な方針を示した。「弊社は、今後とも研修の実効性を高めるなどしながら、改めてコンプライアンスの周知徹底を図る所存であり、併せて、所属タレント等が個人的な問題などを早期に相談し、必要に応じてカウンセリング等を受けることができるよう体制を整備しているところです」と再発防止策を説明。

さらに社会的責任として啓発活動にも取り組む姿勢を見せた。「そして、オンラインカジノについては様々な問題が指摘されており、それらの解決に向けて、社会全体でも取り組んでいく必要があることから、弊社におきましても、関係機関の皆様にご協力いただきながら、様々な媒体を通じて啓発活動を行ってまいりたいと考えております」と方針を示した。

吉本興業は今年2月にも同問題で「弊社所属の複数のタレントがオンラインカジノを利用し違法な賭博行為をしたとして、捜査当局の事情聴取を受けるなどしており、関係者の皆様には多大なご迷惑をおかけしていること、また、ファンの皆様に大変ご心配をおかけしていること、心からお詫び申し上げます」と謝罪していた。今回の略式起訴を受けて、より具体的な対応策とともに改めて公式謝罪に踏み切った形となった。

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