SNSの誘導投稿も対象、無料版サイトも例外なし
警察庁は17日、オンラインカジノサイトへの誘導を図る広告や投稿を「違法情報」として削除要請する方針を公表した。改正ギャンブル依存症対策基本法の9月25日施行に合わせ、インターネット・ホットラインセンター(IHC)の運用指針を改定する。

無料版も削除対象に
新たな指針では、オンラインカジノサイトの名前とともに「日本語対応」「賭けよう」「今なら無料」などの誘導文言が記載された情報が削除対象となる。カジノサイトのURLが掲載されている場合も同様だ。
注目すべきは、無料版のカジノサイトであっても、有料版につながるURLが掲載されていれば「違法情報」として扱われる点だ。これまでグレーゾーンとされていた領域にも規制の網がかかる。
抜け道は許さない
「日本国外に居住する日本人向け」「日本から利用することは違法」などと併記していても、内容を総合的に判断して違法性を認定する。警察庁は抜け道を塞ぐ姿勢を鮮明にしている。
改正法では、カジノサイトの開設・運営、広告やSNSを通じたサイトへの誘導行為が禁止される。海外でライセンスを得て合法運営されていても、日本からアクセスして金を賭ければ賭博罪に当たる。
削除要請は任意、罰則なし
警察庁は通報を受けて、サイト運営者やプロバイダー、SNS事業者に削除を要請する。ただし事業者の対応は任意で、従わない場合の罰則はない。実効性への課題も残る。
坂井国家公安委員長は記者会見で次のように述べた。「オンラインカジノに関する違法情報を効果的に削除していくため、取り組み開始にあたり、国民の皆様にオンラインカジノの違法性を十分に認識していただき、そのうえで広く違法情報の提供をいただき、社会全体で取り組むことが重要」
パブリックコメントを経て実施
警察庁は18日から31日までパブリックコメントを募集する。その後、9月25日の法律施行に合わせて新運用を開始する予定だ。
日本語サイトが多数存在し、ランキング形式で紹介する「リーチサイト」やSNSでの利用促進投稿も横行している現状に、当局がメスを入れる構えだ。