警視庁組織犯罪対策特別捜査隊と山形県警の合同捜査本部は27日までに、東京・新宿の歌舞伎町で営業していた店舗型オンラインカジノ「RIZIN(ライジン)」を摘発した。責任者の山岡泰洋容疑者(41)ら従業員5人と客7人を常習賭博容疑などで逮捕した。

3年間で45億円売上、暴力団関与の可能性
同店は2021年10月に開店し、これまでに5500人以上が利用していた。売上は約45億円に上り、一部が暴力団に流れた可能性があるという。路上での客引きや常連客の紹介により、1日約80人を集客していた。
店内には20台以上のパソコンが設置されていた。海外のオンラインカジノサイトにアクセスし、1ポイント1円で換金可能な点数を客に購入させていた。客はバカラやポーカーなどの賭博を行っていたとされる。
ロマンス詐欺事件から発覚
捜査のきっかけは昨年逮捕されたロマンス詐欺事件の容疑者だった。「8000万円をカジノで使った」という供述から同店の存在が浮上した。
店の入り口は鉄製の二重扉で厳重に管理されていた。防犯カメラで客の顔を確認してから入場させる仕組みだった。1日に数百万円の売り上げがあったとみられる。
無店舗型に続き店舗型も摘発
近年、スマートフォンからアクセスする無店舗型オンラインカジノの決済代行業者や顧客の摘発が相次いでいる。しかし繁華街などには店舗型の業者も存在していることが明らかになった。
警視庁は「調べに対し逮捕された従業員たちはいずれも容疑を認めている」と発表した。同店がオンラインカジノサイトのポイントを安値で仕入れて客に販売していたとみられ、ブローカーが介在している可能性もある。
捜査当時店にいた客は20代から80代まで幅広い年齢層だった。警視庁は営業の詳しい実態や資金の流れについて調べを進めている。