参議院本会議で18日、オンラインカジノの規制を大幅に強化する改正ギャンブル等依存症対策基本法が可決、成立した。これまで野放し状態だったオンライン賭博への誘導行為が全面的に禁止される。

SNS広告も違法

広告削除要請が可能に

新法では、オンラインカジノサイトの開設・運営を明確に禁止した。さらに注目すべきは、SNSを通じたカジノサイトへの誘導行為も違法とする点だ。警察などの要請により、通信事業者が問題のある広告や投稿を削除しやすくなる仕組みが整備された。

ただし罰則規定は設けられていない。実効性の確保が今後の課題となっている。

年間1.2兆円の賭け金

警察庁が3月に公表した調査結果によると、国内でのオンラインカジノの賭け金総額は年間約1.2兆円に達している。特に若い世代への浸透が深刻な社会問題となっていた。

政府と地方自治体は今後、オンラインカジノ利用の違法性を広く周知する啓発活動に取り組む。警察庁はコンサート会場や映画館での啓発動画上映など、取り組みを強化している。

海外政府にも協力要請

日本政府は先月下旬から積極的な外交努力も展開している。オンラインカジノサイトにライセンスを付与しているイギリス、オランダなど7か国の政府に協力を要請した。日本からのアクセス禁止や日本語サービスの停止を事業者に働きかけるよう求めている。

改正法は公布から3か月後に施行される予定だ。

ブロッキング検討も

参議院では法案可決と同時に重要な付帯決議も採択された。サイトへの接続を強制的に遮断する「ブロッキング」などの抑止策について検討を求める内容だ。「効果的な対策を早急に検討し、必要な措置を講ずる」としている。

与野党は5月の実務者協議で規制強化策を盛り込んだ法案提出に合意していた。自民、公明、立憲民主各党などの賛成多数で成立に至った。

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