オンラインカジノ利用で謹慎処分を受けていた中日ドラゴンズの小山伸一郎2軍投手統括コーチ(47)が16日、28日間の謹慎期間を終えてチームに復帰した。ナゴヤ球場で開かれた会見で、小山コーチは違法性の認識について「最初はなかった」と発言し、注目を集めている。

深々と頭を下げて謝罪
小山コーチはスーツ姿で報道陣の前に現れ、深々と頭を下げた。「このたびは本当に自分の軽率な行動によって中日球団並びにファンの皆さまにご迷惑をおかけしたことに関して、本当に謝罪したいと思います。本当に申し訳ありませんでした」と謝罪の言葉を述べた。
「携帯ゲームの感覚だった」
問題となったオンラインカジノ利用について、小山コーチは「携帯ゲームの一環というか、軽い気持ちでやってしまった」と説明。違法性の認識については「最初はなかったです」と率直に語った。
NPBの自主申告に応じず
今年2月、日本野球機構(NPB)がオリックス・山岡投手の問題を受けて関与者に自主申告を求めた際、小山コーチは名乗り出なかった。この点について「周りに相談できずに自分の中で処理したことで、こういう状況を招いてしまった」と反省の弁を述べた。
小山コーチは昨年まで楽天でコーチを務めていた。今季から古巣の中日に移籍したばかりだった。「ドラゴンズに来て間もない期間で、周りに相談できず、自分の中で処理してしまったことが、こういう状況を招いてしまったので、自分としても反省しないといけないと思いました」と声を落とした。
中日球団は5月19日、小山コーチが単純賭博容疑で愛知県警から任意の取り調べを受けたと発表していた。指導者の関与発覚は初めてのケースとなった。
監督陣から厳しい指導
復帰にあたり、小山コーチは井上監督と落合2軍監督に報告した。「厳しくもあり、”より一層、今後の立ち居振る舞いが大事になってくる”という話を2人からしてもらいました。本当に怒られましたし、”バカなことをしたな。家族に謝れ”と。自分の立ち居振る舞いを見直す期間でした」と明かした。
謹慎期間は「本当にきつかった」
謹慎期間中について小山コーチは「野球しかしてこなかったので、野球がない時間、本当にきつかったです」と振り返った。「その中で2軍の試合や1軍の試合を見て、また戻った時にすぐに入れるように勉強していました」と準備を怠らなかったことを強調した。
17日から現場復帰
小山コーチは17日からウエスタン・リーグのくふうハヤテ戦で2軍本隊に正式合流する予定だ。「このように復帰させていただいて中日ドラゴンズにあらためて感謝したいですし、より一層一からではなく、ゼロから野球人として育成に力を、行動であったりを含めて、やっていきたい」と決意を語った。
プロ野球界では開幕前までに8球団で計16人の関与が判明している。小山コーチはこの16人には含まれていない。