フィリピンの下院と上院で、オンラインギャンブルの完全禁止を求める法案が勢いを増している。規制強化ではなく、全面的な禁止が必要だと主張する議員が増加中だ。
マニラ選出のベニー・アバンテ下院議員は下院法案1876号を提出した。この法案はオンラインギャンブルとオフサイト賭博の禁止を目指している。アバンテ議員はオンラインギャンブルが「国民の魂を脅かす」流行病になったと述べた。

記者会見でアバンテ議員は次のように語った。
「オンラインギャンブルは単なる悪徳ではない。それはウイルスだ。社会の道徳的基盤を蝕む中毒だ。子どもたちに教える価値観を侵食し、フィリピンの家族の財政を破綻させる」
同議員はさらに続けた。
「ギャンブルは常に依存症から利益を得てきた。今日ではデジタル化、ウイルス化、グローバル化によってさらに悪化している。ギャンブル依存者が誘惑に抵抗できる場所はない。カジノや闘鶏場が手のひらの中にあるなら、依存者はそれを避けることができないからだ」
上院でも同様の動き
上院のラフィー・トゥルフォ議員も同様の禁止法案を提出する予定を発表した。より厳格な規制ではなく、iGamingの禁止を支持している。
トゥルフォ議員はフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領に対し、国内で拡大するオンラインギャンブル依存症の「流行病」に注意を向けるよう求めた。同議員は国営ギャンブル規制機関PAGCORにあらゆる形態のオンラインギャンブル広告の禁止を要請している。
トゥルフォ議員は次のように述べた。
「現在、我が国では流行病が発生しており、それはますます悪化している。この深刻な流行病に対処するため、我々全員が協力すべき時が来た」
規制機関は反対姿勢
一方、規制機関PAGCORは完全禁止に反対の立場を示している。闇市場の拡大を懸念しているためだ。同機関は先週、公共スペースからギャンブル広告看板の撤去を命じた。
PAGCORはギャンブルに関するより厳格な法制化を支持している。しかし完全禁止については反対している。
数十億円の税収への影響
アバンテ議員はオンラインギャンブルが教室や医療などの社会保障に資金を提供する数十億円の政府収入を生み出すことを認めた。しかし、そのリスクは価値に見合わないと主張している。
この立法提案は、2024年の大部分でフィリピンのギャンブル関連ニュースを支配したPOGO(フィリピン・オフショア・ゲーミング・オペレーター)問題の余波で提出された。POGOはすべての形態で公式に禁止されている。
政府関係者がオンラインギャンブルの急速な普及と依存症の増加に関与している可能性があるとして、この分野の調査も求められている。