総務省の有識者検討会は8日、オンラインカジノサイトへの強制的な接続遮断を当面見送ると発表した。憲法が保障する通信の秘密を侵害する可能性があることが理由だ。

検討会は「ブロッキング」と呼ばれる強制遮断措置について明確に問題を指摘した。

「通信の秘密や知る自由に抵触しうる対策」

代替策として、利用者同意に基づくフィルタリングや決済手段の規制など包括的な対策を政府に求めている。

オンラインカジノ問題は芸能界やスポーツ界で深刻化している。総務省は4月から専門家による検討会を設置し、対策を協議してきた。

ブロッキング実施には通信事業者が利用者の接続先を監視する必要がある。検討会はこの点を問題視し、規制対象がオンラインカジノ以外にも拡大する懸念を示した。

「現状では急ぐ必要はない」

との結論に至った。

総務省は年末までに代替対策の効果を検証する方針だ。その結果を踏まえ、ブロッキング導入の必要性を改めて判断するとしている。

海賊版サイト対策として過去に議論されたブロッキング制度化を求める声が上がっていた。しかし憲法上の課題が明確になったことで、政府は慎重姿勢を示している。

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